花房和牛④

皆さん、こんにちは!
棚田キッチンのシェフ、久保田です!

早速ですが濃い目の内容です。

牛肉以外にも言えるのですが、「規格」というのは確かに一定の品質を保つためにとても大切です。

しかし規格自体が少し基準が違うだけで本質からは遠くなる事もあります。

この場合、規格自体の「モノサシ」が異なっていたんです。

 

初めに断っておきますが、私は日本の霜降り和牛が嫌いな訳では無いんです。

育て方が嫌いなんです。

 

皆さんは「A欠」って聞いた事ありますか?

 

正式には「ビタミンA欠乏」と言います。
これはビタミンコントロールによりサシ(霜降り)を筋肉中に入れていく技術です。

簡単に言うと肥育期間中、ビタミンAを与えないようにします。

そうするとBMSナンバーは高くなり、ロース芯と呼ばれる部位の面積も大きくなります。

勿論、ビタミンAをギリギリの所で制限するので牛に掛かる負荷も大きい。
最悪失明等もします。
これって牛にとって良い事なんですかね?
放っておいて自然に霜降りになるなら分かるんですけど、ここまでやって霜降りにする意味ってあるんですかね?

勿論、牛も健康で無ければ餌をたくさん食べることは出来ないので(たくさん餌を食べなければ脂肪を蓄えることは出来ない)、健康状態には細心の注意を払っていらっしゃると思います。

しかしながら、このような歪みは必ず何処かで皺寄せとなって表に出てくるものです。

そして1番の問題は「消費者がこの工程を全く知らされていない事」では無いでしょうか?

 

 

マスコミが「A5が最高!」と連呼する程に需要が高まり高値で売れる様になるので、人為的に自然界では有り得ないほどの高脂肪の牛が品種改良とビタミンコントロールで生み出されることになりました。

 

これが「規格」が起こしたマジックです。


これらの事実を俯瞰し、「何を選択し、何を口にするのか」を考えることが「食べる」という事だと自分は感じています。

 

私はそこに別に「良さ」を感じていませんし、それ以外にモノサシを持っているので躊躇なく赤身寄りの経産牛の花房和牛の方が断然良いと言い切れるのです。
(もちろん個体によってサシが入ることも有りますが、自然に入る分には大歓迎です。)

 

この「良い」というのは味以外にも、「循環型農業」により周りの人々や環境、資源、景観等の生産者サイドにとっての「良い」と、牛にとって健康的でアニマルウェルフェアという意味での「良い」と、味も健康的で食べる側にとっても「良い」という三方よしの意味合いです。

 

ここまで高めた牛肉でも、地元長崎では

「でも経産牛やろ?」「地元のだから安くていいよね?」

という「規格」という常識の前ではことごとく認められませんでした。

だからこそ私は全力で欲しがったんですけどね。
本質の塊ですから。 

これを読んでいる方には「本質的に良いもの」を知って頂きたいと思っています。

今回、花房和牛は特別に1頭ごとに特注で育てて頂いています。

言い換えれば「日本で1頭だけ」の仕様です。

 

これから熟成に入るのですが、数が一頭しかないので欲しい方全員分は無いかも知れません。
食べたい方はお早めに仰って下さい。

ビジネスや商売を抜きに、本当に他の誰かにお勧めしたい食材です。
宜しければ是非一度、食べて頂きたい逸品です。

 

それでは、また!!