お米づくりカレンダー

2月

立春を告げる2月には前作の終わりと、
今作の始まりを告げる野焼きを行います。
野焼きは、田んぼ周辺の雑草に付着している病害虫を防除したり、
植物を炭素に変えることで、土に炭素が入り微生物が元気になったりと
農業を始めるにとって良い効果がたくさんあります。
3月

暖かくなってきた3月には春田起こし(田んぼを耕す)を行います。
この時期になると、土の中の生物が活発に動き始めるため
耕すことで土に空気を入れて、土壌生物の活動の手助けを行います。
4月

桜が散った4月には、元肥と呼ばれる肥料を撒きます。
私たちが使っている肥料は、栄養をたっぷり持っている牛糞を
独自の発酵方法で製造した自作の肥料。
土づくりの専門家である私たちだからの取り組みです。
昔の人たちは皆、自分で牛糞を発酵させ肥料にして使っていました。
5月

5月のゴールデンウィークごろからいよいよ田植えの準備を始めます。
まずは稲の種モミを海水を使って選別します。(海水選)
種モミには前作のお米から取ったモミを使い、
水よりも比重が大きい海水で、身がしっかり詰まった
より良いモミを選び、種モミにします。
種モミを3日間お風呂で温め、塩抜きをすると発芽してきます。
この発芽した種モミを、地元の土で作った育苗ベットに入れて稲を育てます。
6月

梅雨入りを待つ6月には田植えの準備をします。
田植えをするために、水を貯める用意をします。
棚田は傾斜が急な斜面を切り出して作っているため、普通に水を貯めると
下に下に水が流れ出ていきます。
この水を田んぼに貯めるには、に「畔(あぜ)」と呼ばれる土と水を合わせて粘土状にしたものを田んぼの淵に塗っていきます。
畔を塗り終わると、いよいよ水溜めです。
土に水を馴染ませるために、何度も何度も水を入れながら耕していきます。
水が溜まったらいよいよ田植えが間近になってきます。
田植えをする3日前には、苗の根っこがしっかり伸びるように、土の粒子を細かくして
表面の凹凸が無くなり水平になるように「代かき」と呼ぶ作業を行います。
代かきが終わり、やっと田植えの準備の完了です。
種を蒔いて20日以上たった苗を二十日苗と呼び、田植えを行なっていきます。
田植えは、糸を張り、田んぼに入り、目印に目掛けて手作業で苗を植えていきます。
7月

夏が始まる7月には、苗も根がしっかり張り稲が「分けつ」(株の本数が増えていくこと)し始め株が大きくなり始めます。
この頃になると、稲の他に水草などの雑草類も増えてくるので、手押し車で除草を行なっていきます。
田んぼに入り、手押し車を前後に動かしながら少しずつ草を抜きます。
手押し車を押して歩くときに、足元からぶくぶくと泡が出てきます。
これは土の中に溜まっているガスが抜けて新鮮な空気が入っています。
抜いた草は水に浮いていますが水位が減って土につくと再び根付いてしまうため、
網などですくい取っていきます。
この頃から、水位に気をつけがら雑草との戦いが始まります。
8月

8月には分けつが終わり、稲が大きく成長していきます。
周りの雑草の成長も旺盛になるので、夏の暑さに気をつけながら
草払を定期的に行います。
9月

9月に入ると、稲穂が茎の中から顔を出してきます
これを出穂(しゅっすい)と呼びます。
このころが最も虫や病気の被害に合いやすい時期で、
台風の強風で稲が倒されたりすると収穫量が減ってしまいます。
さらに台風に乗って大陸からウンカと呼ばれる虫が来ると
稲が全滅してしまうこともしばしば起こります。
10月

10月には稲の実が大きく膨らみ、中旬から下旬にかけて
稲刈りの適期になります。
稲刈りは、年に一度の大イベント!
自然の恵みに感謝をしながら、一株一株丁寧に株元から切り取り収穫していきます。
収穫した稲は5株ほどを一束にして、昨年の稲藁で結んでいきます。
ここで結び方が緩すぎると、かけ干しにして乾燥したときに
太さが縮み抜け落ちてしまいます。
束にした稲は、竹で作ったかけ竿にかけて、3週間天日干しを行います。
天日干しをすることで、太陽の熱と海からの潮風を浴びながら
お米が持っている本来の香りを落とすことなく
ゆっくりと乾燥させていきます。
11月

11月には乾燥した稲からモミを脱穀していきます。
これも足踏み脱穀機(だっこくき)を使い、
手作業で行いうことでお米一粒の大切さを感じます。
12月・1月は一度田んぼを耕し、
水中にあった土に空気を入れ込み、
土壌生物が住める環境にして
次期の土づくりを待ちます。
これがお米づくりの1年間の流れです。
この稲作文化を受け継いでいきます。